Chris Van Cornell presents ”Hello” 2012.11.18 渋谷Glad

Posted on 2012.12.04

Category: REVIEW_LIVE



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実に色鮮やかな幕開けであったと言って差し支えないはず。
ASPHALT FRUSTRATIONでキーボードを担当し、ヒダカトオルBAND等でも活躍する後藤大輔、同じくASPHALT FRUSTRATIONのベーシストとして特異な存在感を示していた向山高貴を中心に結成されたChris Van Cornell。

生楽器とシンセサイザーの電子音をミックスし、フォークトロニカを軸としたサウンドを奏でる彼らの初ライヴが11月18日、渋谷Gladで開催された。
 
当日は、多岐にわたるサウンド感をクロスオーバーさせ、耳の早いリスナーにはお馴染みであろうThe Beauty、DJとしてケイタイモ(WUJA BIN BIN)、Izumi Matsui(ex bonobos)、Seki-Chang(bandit)が顔を揃え、会場には絶えず洗練された音が鳴り響いていく。

そして、主役であるChris Van Cornellが登場。
初めてのステージではあるが、構想としては2年半前からスタートしていたこともあり、気負いというべきか、若干の緊張を想像していたのだが、そこは数々の現場を体感してきたメンバーだけであって、落ち着き払った様子でスッとステージに溶け込んでいく。記念すべき1曲目に放ったのは、夢幻の蜃気楼が描かれたような「nature and nurture」。シンセサイザーとトランペットの音色が融合していく様がなんとも美しい。
そこから、EELSあたりを連想させるような牧歌的雰囲気を持つ「she said」へ。ふわりと包み込まれるニュアンスがたまらなく、思わず胸を締め付けられてしまうほどだ。
ライヴの感触に酔いしれた後藤から「あまりにも楽しくて」という言葉が漏れ、ひと呼吸おいた後に独特な浮遊感を持った「One day in may」。オフィシャルサイトでフリーダウンロードできることもあり、会場の一体感が高まった瞬間であったように思う。
その後も、肩肘張らず、ゆったりと音を紡ぐ彼ら。可能性を狭めるような決まり事は排除し、様々なスタイルで音を奏で、Belle and Sebastianのようにパートもヴォーカルも変幻自在。バンドであるというメンタリティは携えながらも、その立ち姿は自由な音楽集団そのものだ。
ラストを飾ったのは「tatata」。フロントメンバー全員がヴォーカルとなり、声のレイヤー感がホントに素晴らしい。シンプルでありながらコクを持ったメロディーが聴けば一瞬で耳を離れなくなる。

全7曲を披露したこの日のライヴ。もちろん、手探りな部分はあっただろうが、その秘めたるポテンシャルを感じ取るには十分だったはず。オーガニックかつドリーミー。決して浮世離れせず、すぐ側で寄り添ってくれているようなサウンドには、興味が尽きることはない。


Chris Van Cornell – “tatata”(20121118Shibuya) from Chris Van Cornell on Vimeo.



ライター / ヤコウリュウジ
写真 / 山川哲矢
映像 / 菅原史朗


Chris Van Cornell公式サイト


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