Chris Van Cornell

Posted on 2013.03.21

Category: INTERVIEW



昨年11月の初ライヴで遂にベールを脱いだChris Van Cornell(以下、CVC)。
曲を活かす為に楽器を持ち替えるという、既存のバンドスタイルを飛び越えたところで音を紡ぐ彼らの初となる作品『hand in hand』が4月に発表される。
結成の経緯、楽曲へ向かうスタンスや作品の真意まで、じっくりとメンバー全員に話を訊いた。



interview by ヤコウリュウジ
―まず、初インタビューということで、結成の成り立ちからお伺いさせてください。

後藤:
そもそも、僕と高ちゃん(向山)がやってたASPHALT FRUSTRATIONが活動休止するかしないかぐらいのときに、「何か自分で始めたいな」って思ったんですよ。2010年の1月ぐらいかな。で、高ちゃんとそんな話をしたりして。

向山:
最初は、軽くスタジオでも入ろうかみたいな。

―当時、思い描いたモノって、どんな音でした?

後藤:
歌は一切入れないで、インストでやろうかなと考えてましたね。でも、ちょっとメロディーが欲しくなったんですよ。
しっかりとした歌っていうわけじゃなくて、ちょっとしたコーラスぐらいの。
で、その年の冬とかでいっちゃん(齋)にも声をかけて。

齋:
実は、その以前にも「一緒にやろうよ」みたいな話があったんですよね。
ただ、そのときは私がやってたアコースティック・ユニットを頑張ろうとしてた時期だったりして、実現できなくて。
だから、CVCの話をもらったときは「やりたい!」とすぐに返事をしました。



―構想から1年ほどで3人が集まると。そこからの流れはどうだったんですか?

堀田:
2011年の春に僕が参加することになりました。

後藤:
そのころは、オーガニック的なことをやりたいイメージも出てきてたので、そこに合うドラマーとして堀田くんが浮かんだんですよ。

堀田:
ただ、最初はキツかったですね(笑)。1年ぐらいバンドをやってない時期だったし、まずブランクを埋める作業があったんです。
それに、今までやってきたバンドとは音的にも違ったニュアンスだったりして、大ちゃん(後藤)とは音楽的な共通項がありつつも、感覚を共有するのに時間がかかったという。

―実際、その時点だとバンドのサウンドも固まってないでしょうし、何かにアジャストするわけでもないですからね。

後藤:
そうですね。正直、サウンドが固まってきたのは最近と言えば最近だし。
でも、あえて固めようとしなかったところもあって。
メンバーそれぞれから出てくるモノを楽しみたいっていうか。

―先ほど言ってた共通項は、どのあたりになるんですか?

後藤:
オーガニックもそうだし、北欧っぽい雰囲気とか質感ですね。

堀田:
ザックリとですけど、好みは近いんですよ。

―そして、次に参加するメンバーは?

與三:
そこから結構飛ぶんですけど、2012年の4月か5月に僕が入りました。



―じゃあ、その間の1年ぐらいは……

後藤:
地下で模索(笑)。

一同:
ハハハハ(笑)。

齋:
それこそ、パートとかもころころ変わってた気がする(笑)。

―言ってしまえば、それぞれ経験があるメンバーが集まってるわけで、スタジオ作業だけって嫌になりません?

後藤:
でも、スタジオで音を出すだけで気持ちよかったし。早急に結果を求めたわけでもないので、ホントにマイペースでやってましたね。




堀田:
だから、気がついたらそれぐらいの時間が経ってたみたいな。

―與三さんへ声をかけた理由は?

後藤:
まず、ホーンが欲しかったんですよね。で、尚且つ、ギターもキーボードもできる人がいいなと。

與三:
連絡をもらったとき、いろいろやってたのが落ち着いたタイミングでもあって、ちょうどメインでやってるバンドがなかったんですよ。
聴かせてもらったのは、「She said」と「Novel」と当時「Night」って呼んでた曲だったんですけど、今の雰囲気に近い感じではありましたね。

後藤:
割りと土台が固まりつつあるぐらいのときで、飛び道具的な意味も含めて、ホーンがいたら強いだろうなっていう。

―実際、合わせてみた感触はいかがでした?

後藤:
いや、メチャメチャよかったですね。

堀田:
それこそ、モノクロがカラーになったみたいな感じでしたよ。

―その後、6人目となる加藤さんが加入するんですよね。

後藤:
與三さんが入る前ぐらいから、歌える人を探してて。

齋:
しかも、ヴォーカルっていうよりは、キーボードとかギターとか、何でもできる人を。

―話を伺っていると、メンバーを探すのがたいへんですよね。
特定のパートというわけじゃなく、マルチなプレイヤーを求めてるわけだし。


齋:
たしかに、そうですね(笑)。

後藤:
CVCはリズム隊が土台としてしっかりしてるから、他のパートは自由にしたいんですよ。
だから、ギターにしても、いかにもギタリストっぽいギタリストはいらないっていうか。

與三:
それこそ、曲を作ってるときも、ギターを弾いてたのに、いきなりトランペットに変えてみたりもするし。普通のバンドだったら、ありえないですよね(笑)。

―じゃあ、自分が弾いてたフレーズを他のメンバーが弾くことになったりも?

後藤:
うん、ありますね。

齋:
常に「他の楽器でもっといいのあるかな?」って探してるところもあるし、みんな結構動いたりしてるんですよ。

―では、加藤さんが加入するところへ話を戻しますが、タイミングとしてはいつぐらいでした?

加藤:
連絡がきたのが2012年の5月29日でした。誕生日の前日だったんで憶えてるんですけど(笑)。



―それまでは、バンド等はやってたんですか?

加藤:
特にやってませんでした。少し前にアコースティック・デュオをやってましたけど、それもちょっとぐらいだったし。

齋:
私も同じ界隈でやってましたけど、ガッツリやってるイメージはなかったかも。

後藤:
スタイリストのアシスタントとかをやってたこともあったよね?

加藤:
そんな時期もありましたね(笑)。

―なるほど(笑)。しかし、ようやく2年半を経て、このメンバーが集ったと。その間、サウンド的には変化をしてきました?

向山:
基本はそれほど変わってない気もしますね。実際、EPにも収録した「She said」は最初からずっとやってる曲だったりもするし。

後藤:
思い描いてたモノに、ゆっくりと向かっていった感じなのかな。

―ちなみに、キーワードとなったのは先ほども言っていた北欧?

後藤:
そうですね。北欧とはみんなに言ってたし。

―北欧というと、どのあたりになるんでしょうね。スウェーデンとか?

後藤:
スウェーデンとかじゃなくて……北欧(笑)。

一同 ハハハハ(笑)。

後藤 国で言ったら、アイスランドとか。それこそ、Bjorkとか。

―イメージとしては、グラスゴーなニュアンスも感じましたけど、そのあたりは?
パートもチェンジするっていうと、ベル・アンド・セバスチャンが浮かぶし。


後藤:
そのへんも入ってきますね。だから、北欧とグラスゴーの両刀っていう。

―そして、6人が集まり半年後、2012年11月に渋谷Gladで初ライヴを敢行しました。その感触はどうでした?

後藤:
単純に、凄く楽しかったですね。
ホントはあんまり喋らずにシリアスな感じでやろうとしてたんですけど、思わず「楽しい!」って言っちゃいましたからね(笑)。

一同:
ハハハハ(笑)。

加藤:
私は、初めてに近いライヴだったし、たくさん人もいて、緊張しかしてなかったかも(笑)。
ただ、やってみて安心したところはありました。

向山:
個人的には、それこそ2年半ぶりのライヴだったし、かなり緊張したんですけど、始まってしまえばやっぱり楽しくて。
終わった後に、「こういう感じでいくんだろうな」っていう、具体的には言えないんですけど、何かを掴んだ感じはありましたね。



―ライヴをやったことによって、バンドの輪郭が掴めたみたいな。

齋:
それはありましたね。

後藤:
ダメなところも大丈夫なところもわかりましたからね。

―そして、そこから早いスパンで作品がリリースされます。

後藤:
やっぱり、ライヴとリリースが目標だったんですよ。
だから、ライヴをやって形が見えたら、リリースしたいと考えてたし。

―今回、3曲に加えて、リミックス1曲の計4曲が収録されてます。

與三:
まず、「あの角をまがれば」に関しては、はるかちゃん(加藤)が入ってからメロディーのラインとかが曲としてハマったし、今のCVCを象徴するような曲になってると思いますね。

後藤:
だから、この曲は絶対に入れたかったし。で、それに合わせていったような選曲になりました。

―他の曲に比べて、「あの角をまがれば」は、歌が前へ出てくる仕上がりになってますよね。

後藤:
ストレートに歌を出したかったんですよ。今まで、歌ったことがなかった僕が歌ってますけど(笑)。

―そのチョイスが、CVCらしいというか、面白いですよね。

後藤:
重要なのは、バンドの雰囲気に合うかどうかだし。そこにハマってれば、妙な巧さはいらないですよ。

―ずっとスタジオで模索してたという「She said」に関しては?

向山:
初ライヴでやってみて、「これはいいな」っていう感触があったんですよ。

後藤:
その勢いをそのまま入れた感じですね。

―見事、2年間が報われたという。

後藤:
ですね(笑)。
あと、「One day in may」は、全体のバランスを考えた結果、加えたという感じです。
全体として見ると、割りと似た雰囲気の曲が揃ってるのかな?

與三:
今のモードがそうさせた気がしますね。それこそ、ちょっとスイッチが違うところに入ってたら「Novel」とかを収録したくなっただろうし。

―イメージとして、CVCってちょっと難しいというか、取っつきにくいと思ってる人がいるような気がするんですよ。でも、聴いてみたらそんなことはなくて、凄く扉が開いてることを実感できる曲ばかりだと感じました。

後藤:
基本的に、そんなに難しいことはやってないですからね

―また、歌詞についてでは、どう捉えてますか?
物語を描くというよりも、差し色みたいな形で入ってくる曲が多いですよね。


後藤:
思ってるのは、1枚の絵画にちょっと走り書きしてある言葉のような感じだったりして。
音とその言葉から、いろんな想像をしてもらえたら嬉しいですね。

―また、「あの角をまがれば」のリミックスを収録した理由は?

與三:
単純にリミックスが好きっていうのもあるんですけど、CVCの中で完成したモノを違う人がアレンジした形で聴いてみたい気持ちがあったんですよ。それが、結構大きな理由ですね。

―しかしながら、決まりきったことをしないバンドというか、自由な発想でやってますよね。

齋:
縛りはかなり少ないと思います。

後藤:
実際、何でも試してみるし。

―普通、ギタリストが「この曲はキーボードでやりたい」って言ったら、ケンカになりますよ(笑)。

後藤:
まあ、そうでしょうね(笑)。

―初ライヴがクラブとライヴハウスの中間的な渋谷Glad、2回目のライヴハウスとカフェの中間的な北参道ストロボでしたけど、自分たちがハマる場所を探してるんですか?
それとも、ボーダレスな活動に面白味を感じてたり?


後藤:
曲作りと一緒で、活動にも決まりを持たせたくないんです。
だから、どこへ行っても、どんな編成でもライヴができるのがベストだなと思ってて。

―たしかに、初ライヴ前にわをん(※千葉県の横田ファームで開催された農業と音楽を繋ぐイベント)ではミニマムセットでライヴを披露してましたよね。

後藤:
あのことを考えると、もうちょっとカチッとした方がいいかなと思うけど(笑)。

一同:
ハハハハ(笑)。

後藤:
いや、あの緊張感は半端じゃなかったんですよ(笑)。

―YouTubeにも映像がアップされてますけど……まあ、そんな感じでしたね(笑)。

後藤:
僕のこれまでの活動を知ってる人からすれば、そうですよね(笑)。
メンバーのスケジュールが合わなかったけど、どうしても出たかったから、必死にギターの練習をしたという。

―少人数での演奏は経験があるわけですが、今後は逆にゲストを迎えたライヴをしたりも?

後藤:
やっていきたいですね。例えば、今の感じを崩さないことが前提ですけど、マニュピレートしてくれる人を加えて、何かを付け足すとかも面白そうだし。

與三:
ちょっとリミックスの話に戻るんですけど、「あの角をまがれば」はCVCの中ではアコースティック色が強いじゃないですか。
で、それをエレクトロニカに寄せたモノがリミックスとして仕上がったわけですけど、逆にセルフ・リミックスというか、僕ら自身が既存曲を違うアプローチでやることもあるんじゃないかと思ったりもしてて。
メンバーも楽器もサウンドも、特に制限したくないし。

後藤:
だから、僕らはバンドなんだけど、いろんな価値観が自由に交じり合うコミュニティバンドでありたいと思ってるんですよね。






2013.4.10 水曜日 発売
1st ep
“hand in hand”
¥1,000 (税抜 ¥952) KIPP-001 Kippis label.
01. あの角をまがれば
02. She said
03. One day in may
04. あの角をまがれば -The beauty remix-



Chris Van Cornell公式サイト
http://www.chrisvancornell.net/


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