sugar’N'spice 『東京』リリースツアーファイナルワンマン at 三軒茶屋 HEAVEN’S DOOR

Posted on 2014.07.01

Category: REVIEW_LIVE


はじめに、このツアーファイナルワンマンへはこのレポートを書くという目的で足を運んではいません。
なので一曲毎の印象を書き溜めたわけでもなければ、それを意識してライヴに注視したわけでもありません。
使用写真もこの日にいたお客さんが撮影したものをお借りました。
丸二日が経過した今、思い起こしながら書いているので細かなライヴレポートにはなり得ない事をご容赦ください。

ではなぜ今このライブのレポートを書いているかといえば、以前多少の物書きをしていた身として、単純で純粋に、書かずにはいられない気持ちが湧き上がり書く事にしました。

ライヴレポートではなく、ライヴ吐露、と呼ぶ方がしっくりとくる文章になりそうですが、この日会場にいた方だけではなく、sugar’N'spiceを観た事がない方にこそ読んでもらえたらと思っています。




大阪出身のkyaoを中心とするガールズロックバンド、sugar’N'spice(以下シュガスパ)。
会場限定シングル『東京』を4月1日にリリースし、全22本に及ぶツアーを締めくくる22本目、ツアーファイナルが6月29日(日)三軒茶屋 HEAVEN’S DOORで行われた。

この日はあいにくの降雨。はおろか落雷までもある悪天候ではあったが、開場時刻の18時の会場周辺の雨はほとんど上がっていた。

開演10分前の18時50分頃に場内へ入ると天候などお構いなしに既に満員。
BGMにはBLOC PARTY.やBABYSHAMBLESといったUKインディーロックが流れている。
女性のみでメンバーそれぞれルックスも良く、分かりやすくキャッチーな楽曲も多いので、いわゆるガールズバンドやギャルバン特有の扱いや、その枠に押し込まれてしまう不遇(あえてそう書かせてください)を幾分受けてはいるようにも思うが、シュガスパの根幹はギャルバンのそれではないと感じていたのでワンマン前にBLOC PARTY.やBABYSHAMBLESが流れているというのは全く彼女達らしいし嬉しい。(たまたま会場の方が流していた可能性もありますが…)

開演時間の19時を少し回ったあたりか、お馴染みのSE、Joan Jett「I Love Rock N’ Roll」と共にメンバーが登場すると、ファンがこのワンマンをどれだけ待ちわびたかを瞬時に知れる大歓声。その大歓声をそのままライヴの勢いへと繋ぐように人気曲「The Hybrid Age」で幕開け。
ワンマンらしく出音も充分だ。



まず、そして最後まで印象的だったのはちょうど一年前のこの日からsugar’N'spiceでベースを弾くオクムラカナの存在感。
ガールズバンドに限らず、女性のベースプレイヤーというのは比較的目にするが、プレイそのものは当然の事ながら(これは以前観た際にも感じていたが)、ステージでの立ち姿は近年ライヴハウスで観たベーシストの中でも抜群だった。
立ち姿というと音楽そのものとは乖離した箇所を褒めているように感じるかもしれないが、個人的な考えとしては、ロック・バンドにおいて立ち姿以上に重要な要素はない位に思っている事を付け加えたい。

“わかりやすくキャッチーな楽曲も多い”と先に書いたが、ライヴを聴き進めると、例えばウィーザーやマッドチェスターを想起させる楽曲もあったりと、そういった側面があった上でのキャッチーさなので、ポップ志向なバンドへの批判として良く言われるような”薄さ”というものを感じる事もない。

そしてやはり白眉なのは楽曲のバリエーションとアレンジ力(音の選び方も含めて)か。
今回リリースされたシングル収録の3曲を聴くだけでも分かるが、彼女達には似た曲や捨て曲的な印象を受ける曲がほとんどない。つまり、ライヴでもCDを聴くにしても長時間聴いていても飽きにくい。
これはkyaoの作曲能力も勿論ながら、彼女が自分たちの音を客観的に聴きとる能力に長けているからこそ、欲しい音、欲しい展開、要らない音、そもそも使えない曲などをバンドの中心にいながらも判断できるのであろう。



恒例のお楽しみでもあるMCでは、関西人らしくも不快感のない(関西人に不快感があるというニュアンスではありませんよ。。)気持ちの良い客イジリが妙にハイレベル。MCでライヴの流れを分断するような事は彼女達にはこの日も起こりえない。

本編ラストには今回のシングル収録曲「Boys & Girls」でこの日一番とも思える盛り上がりをみせメンバーはステージを降りたが、残ったお客さん皆がタイトル曲「東京」を大合唱するという粋なアンコールで再び登場。

アンコールに応え2曲を演奏し、全23曲、2時間超のワンマンは終始熱気の中、終演した。

そう多くライヴを観れている訳ではないが、だからこそシュガスパの成長が一層はっきりと感じられた良いワンマンだった。

Text by Kazuhiro Yagihashi




2014.06.29 Sun @ 東京 三軒茶屋 HEAVEN’S DOOR
sugar’N'party vol.8 -『東京』リリースツアーファイナルワンマン-
[Set List]
01. The Hybrid Age
02. Teenage Circus
03. Paper Moon
04. Queen Kate
05. X
06. スナフキン
07. Unpop
08. 15 minutes of fame
09. bitch
10. In Three Years
11. 忘れな草
12. ダンスチューン
13. goldenblack
14. Starless Sky
15. チェルノブイリの恋人
16. 黒い太陽
17. 東京
18. 雑踏
19. 毛皮のナイフ
20. ROCK STAR
21. Boys & Girls
EN1. Paradise
EN2. By My Side







sugar’N'spice公式サイト
http://sugarnspice.jp/


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