-Interview- I love you Orchestra 『Crack』(後編)

Posted on 2016.10.03

Category: INTERVIEW




9月14日に3rdアルバム『Crack』を発売したI love you Orchestra。
発売3ヶ月前の6月には同作の「全曲再現&レコーディングライヴ」を敢行して先にライヴ音源を配信したり、いくつかの店舗で先行発売を行ったりと、すでに多くのファンが耳にしているはず。
こうした既存の方法に捉われない手法で活動を続けて来た彼ら。バンドのスタートから2年以上が経ち、メンバーそれぞれの中でI love you Orchestraの存在はどのように変化しているのだろうか。

インタヴュー&文:岡本貴之


―今回のアルバムを創る上で、どんなことを考えていましたか?

白水:『KAGERO Ⅳ』くらいから「ライヴ」と「音源作品」を分けて考えるようになって。「音源作品」としてベストなカタチのものを創ろうってのは大前提にあり。その上で今回は、今までの自分の表現、KAGEROとか、ilyoの前までのアルバムとは全く違うとこがあってさ。今までの作品って「アート」だったんだよね。自分の中の言葉にできない思いを、衝動的な表現で放出する手法。でも今回はilyoだし、せっかくだから「デザイン」をしようって感覚があったんだわ。

―2nd『Fuse』は今思えばすごく考えて創り込んだ感じがしたんですけど…

白水:ゲストミュージシャンがいっぱい入ったって意味だとまさにそうかもね。

―そうです、この曲にはバイオリン、とかそれぞれの曲に対するアプローチという意味で。

白水:そうだね。だからやっぱりなんだかんだでこだわりの部分が強く出てた。1stとか2ndの方が創り方がKAGEROに近かったっていうか、根本はそんなに変わってなかったんだって思う。でも今回は、「Sunshine Freeway」なんてまさにそうなんだけど、「こういう曲を書こう」っていうのが先にあって書いた感覚だね。普段僕はあんまりそういう書き方はしてなくて。元にあるコアを膨らませて膨らませて「結果的にこうなりました」っていう創り方をするんだけど、今回はもう全曲に青写真があって。「こういう曲を創ろう」ってのを狙って創り続けたね。

ジム:確かに。明確なイメージが決まってたね。

白水:だからジムにもずっと「こういう曲ちょうだい」って言ってて。別に「誰それのなんとかっぽい曲」とかってことじゃなくて、「こういう要素があって、ライヴでやったらお客さんがこうなるような曲」っていう完成図を先に作ってから緻密に設計して行った感じだね。

―それは最初から『Crack』っていうタイトルを思い浮かべて設計して行ったわけですか。

白水:アルバムタイトルは最後だね。創り終わったとき、これを使って結局僕は何をやりたいのかなって考えたときに、ああ、『Crack』だなって。

―曲としての「Crack」は実質1秒ですが、これは毎回お馴染みの。

白水:まぁお約束だよね(笑)。今回はその後にボーナストラックがあるから結果的に曲間を取って7秒になったけど。お約束の激ショート。

―ジムさんはツイッターで「長く厳しいレコーディングだったけどやり遂げることが出来て誇りに思います。」と呟いていましたけど、具体的にはどんな厳しさがあったのでしょうか。

ジム:今回の創り方がスタジオに入ってみんなで爆音鳴らして、っていうんじゃなくて、パソコンでDTMソフトを使って創るやり方で。自分で色々構築して創って行けるから、色々な選択肢の中からどれがいいんだろうっていうのを自分の中で何回も録って聴いて録って聴いての繰り返しで。「もっと良くなるんじゃないか」っていうのをずっとやってたら、もう一生終わらないんじゃないかなと思って(笑)。



白水:あははははは!

ジム:昔は、僕も白水もパーンって録ってパーンって終わり!みたいなものがすごく好きだったんですよ。

白水:うんうん!

ジム:だけど最近は「これをいろんなシチュエーションで聴いたときにどういう気分になるのか」っていうのを、自分で確認したくて。「朝聴いたらどんな気分なんだろう」とか「夜聴いたら」「車で聴いたらどんな感じなんだろう」っていうのを感じないと「これでいいんだ」って思えないというか。そんなことをしているうちに僕は結構曲創りに時間がかかっていて。でも結果的にはそれが良かったですね。

―今作には、エレクトロ色が強い「Spoooon」という曲もありますね。

ジム:「Spoooon」はまさにこういう曲を書きたかったんです。最初は全然違う曲だったんだけど、白水がベースのリフを書いてきてくれて、はめ込んで行ったら「ああ!これじゃん!」っていう感じになって。僕は20代半ばくらいの頃に、ライヴハウスのバンドとかに全然興味を持てない時期があって。どっちかっていうとクラブカルチャーに行っていた時期があったんです。そこで出会う人たちにはものすごく面白い人たちがたくさんいて。そういうことを思い出しながら創りました。

―さっき白水さんが言った「ライヴと音源を分けて考えるようになった」という意味では、こういう曲を創るときに「ライヴでどう再現するか」ということは特に考えないで完成させるんですか。

白水:いや、音源は結局ライヴのためっていう側面はどうしても強いから、やっぱりライヴでちゃんと出来た方が良いと思ってるよ。ただ「Spoooon」に関しては、あれこれどうすんだ?って思ったことはあったね(笑)。



ジム:創ってる途中から気にしなくなっちゃいましたね(笑)。ただ、もちろんなんとかしてライヴでカタチにしたいと思ってます。

―ilyoの曲としては異色のジャジーな曲「bye bye, your yesterdays」が中盤に入っているのは、インターミッション的な役割なんですか?

白水:んー、曲順は最後まで色々迷ったんだよね。だいたいリードMVも「Sunshine Freeway」にするか「Universe」にするかでずっと悩んでて。客観的な意見が欲しくて、珍しくレーベルの連中にも相談したりして(笑)。KAGEROをずっとやってるうちのボスは僕と一緒で「Universe」を推してたし、でもilyoを担当してる恭平はずっと「『Sunshine Freeway』にしましょう!」って言ってて。今回は結構恭平と話してた時間が長かったんだよね。やっぱりKAGEROとは違う新しいバンドだし、新しい価値観が欲しいっていうのもあって。まぁ今にして思えば「Sunshine Freeway」で良かったね(笑)。

ジム:「Sunshine Freeway」のメロディを創ったときに、あれはいわゆる普通の歌メロと同じ創りなんだけど、普通のボーカリストが歌うとめちゃくちゃ音程幅があって歌えないひとが多いのかもしれないレベルで。でも、インストだったらそれができるなって。メロディに対する制限がなくなるから。その歌モノみたいなメロディの流れでやったら、これは結構イケてるんじゃないかなっていうところがありました。

白水:あのメロディ、最初はピアノじゃなかったんだよね。色んなシンセの音とかオルガンの音をめちゃくちゃ試したんだけど、どれもシックリこなくて。なんか歌モノの仮歌の状態みたいなことになっちゃってて。これはあかんなーって思ってたら、恭平が「ピアノはどうですか?」って言ってきて。ピアノで弾くメロディでじゃねえだろって思いこんでたんだけど、でも試しにピアノにしてみたら「ああー!これだー!」って。そういうのもDTMだとじっくり試せるから面白いよね。スタジオでドーンっとやってると気づけないことも多くて。自分も弾いてるしさ。全部の音がベストなバランスで出てるとは限らないし。その点、DTMだとそういう判断がすごくしやすい。トライ&エラーの効率がいい。そういう意味でも今回は「デザイン的」だったよね。「溢れ出る衝動をパッケージしました」ってよりは、構築して構築して、客観視して客観視して創ったっていうのは、すごく自分の中で新しいやり方だったよ。

―ilyoの始まりはそもそも、溢れ出る衝動をみんなで集まって音にしたバンドだったわけですけども。

白水:そうだね。だから僕は逆にライヴ中は敢えてそういう構築してきた感覚は持たないようにしてる。「あー、友だちとおもろい遊びやってんなー」っていう気楽さを、今でもちゃんと持ててるね。

―「bye bye, your yesterdays」はライヴでもジムさんのギターが目立つ曲なのでジムさんが書いたのかと思ってたんですが、白水さんが書いた曲なんですね。

白水:僕が主軸のメロディを書いたわだけど、ハモらせたりオブったりっていう構築をしたのは全部ジム。鼻歌で「フンフ~ン」ってやってるやつを、「じゃあ後はジムお願い!」って(笑)。ジャジーな曲を入れようって思ったのは、前に1回ライヴ中に僕の弦が切れたときにスイングのセッションが始まった瞬間があってね。「こういうのもいけるんだねilyo」って思ったのがキッカケだったかな。

ジム:この曲もメロディがハッキリしてるよね。俺、ilyoを始めてからインストをよく聴くようになって。もともとジャズ的な曲とかも聴いてはいたけど、でもそんなに掘り下げてはなくて。そんでジョン・スコフィールドとかパット・メセニーとかのライヴを観に行くようになって、それを観てすごく良いなって思った反面、これをそのままやっても、俺は好きだけど、でもわからない人にはわからないだろうなって感じて。

白水:アドリブソロの応酬になっちゃうからね。それをやるならilyoじゃない方がいいんだろうなっていうのは感覚としてあるよね。

―それが故に、後半で少しだけラウドな感じに変化したりしているんですね。

ジム:ああ、そうですね、一瞬なりますね。この曲は一番時間がかかりましたね。どっちの方向に進めば良いのかわからなくなって。でも単純にメロディが気持ち良く聴こえる方向が今のilyoらしいんじゃないのかなと思って。

白水:最近ライヴでやっててもお客さんもみんなこの曲好きそうだよね。お洒落だし。ただ、もうちょっと上手くやれるようになりたいなって思うけどね。演奏技術的にね。つーかまぁ、そもそもなんでこんな曲をツインドラムでやってんだっつー根底の疑問は拭えないんだけど(笑)。

一同:あははははは!

白水:やっぱお客さんも好きそうだし、ライヴでもっとやりたいし、そのためには個人的にもバンド的にも、もっともっと演奏技術を上げにゃあかんなーって思ってます。

―ではそれぞれ1曲ずつ挙げてもらって曲について語ってもらえますか。

マスクド:1曲挙げるとしたら「Spoooon」ですね。もうわけわかんないことになっていて。やっぱりギター弾きなので、ilyoの曲に限らず音楽を聴いててギターに耳が行って「自分だったらこう弾くかな」っていうイメージをすることかあるんですけど、「Spoooon」は僕の想像からかけ離れているというか。「どこから引っ張ってきたんだろう?」っていう、由来のわからないフレーズがいっぱい入っているので。どうやってライヴでやるのが完成系なんだろうっていうのはあるんですけど(笑)。すごく印象的な曲ですね。

白水:この曲のメインのフレーズってシンセで弾いていると思われがちだけど、これギターだからね。ナマだと絶対再現できないやつ(笑)。

ジム:ケンロー君原曲の「Herb Is Justice」がすごく好きで。自分とは違う発想の曲だから面白いなと思って。この曲は僕の部屋で一緒に録音してて、ケンロー君がそれまでと違うニュアンスで弾いたフレーズが超良くて。それがサビの形になったんですけど、そういうのが面白かったですね。

ケンロー:僕は最近、ああいうリフやメロを使った曲を創るんですけど、ilyoではやったことがないから、試しにそういうテイストを入れた曲を創ってみたらどうなるのかなって。

白水:デモの時は少し不安定なバランスだったんだけど、でもちょっと構成をイジったらすげえよくなって。ライヴであんなにやる曲になってよかった。毎回セトリに入ってくるもん。

ジム:あと「bye bye, your yesterdays」はメロディの感じが2ndの「The Bicycle Song」と同じ匂いがして、すごく日本人ぽい感じがするというか。すごく良いなと思いました。

前川:僕は「兼六園 (Full ver.)」ですね。やっぱりこの曲って単純に演奏していて楽しいんですよ。白水くんらしさ全開で。最初にライヴでやったときは、もう頭フル回転でやってたんだけど、曲が体に入ってきたらどんどん楽しくなってきました。今までやったことのない構成なので、本当に面白いですね。



カズマ:MVになった「Sunshine Freeway」ですね。僕自身もそうだし、僕の身の回りの人も、あんまりインストを聴く人が少ないと思うんですよ。僕が前にやってたバンドも歌モノばかりでしたし。そういう人にすごく届きやすい曲が「Sunshine Freeway」だと思うんです。ピアノの音が歌メロに聴こえる聴きやすさもあるし、やっぱり僕自身もよく聴くし。それと、MVに映ってるノブさんをぜひ、ちゃんと観て欲しいですね。

一同:(笑)。

カズマ:いままでのilyoのお客さんは「ノブ君が観れた!」ってなると思うし、初めて観た人は、僕のツイッターのフォロワーの人で実際いたんですけど「あの上裸の人は誰ですか?」って(笑)。

白水:あのMVで全員があんなに笑顔なのはノブちゃんがいたおかげだから(笑)。あの日、みんなに内緒でこっそりノブを呼んでてさ。そしたら普通に「おはようございまーす!」って入って来て。カズマとか「ユウさん!!なんかノブさん来たんですけど!?」って(笑)。

カズマ:しかも初めて聴いた曲で、あの動きしてるんですよ(笑)。ぜひ観て欲しいです。

ケンロー:僕は「Spoooon」と「Universe」ですね。「Universe」はギターのフレーズがヤバいんですよ。「こんなフレーズがどこから降りて来たんだ」っていうのが衝撃的で。「Spoooon」は曲全体の印象と、サビのメロディがグサッときました。それと同じくらい「Universe」のAメロBメロで鳴っているギターが、何をどうすればこのフレーズがここに降りて来たのかが、いまだにわからない(笑)。

―ところで白水さんは、このバンドの中で唯一自分と同じ楽器がいないプレイヤーですけど、もしベーシストが他にいたらって考えたことないですか?

白水:え、だって邪魔じゃん(笑)!?考えたこともないよ!!

一同:あははははは!

ジム:いや、でもilyoをやろうかっていうものすごーく最初の頃にスタジオにツインベースで入ったことが1回あるんだよ。

白水:え?マジで?本当に?全然覚えてないな。まぁ覚えてないってことは、良くなかったってことなんじゃないかな(笑)。

―それでは白水さんからも1曲挙げてください。

白水:そうだなあ。1曲って難しいけど…。「SAKURA」のカバーは結構自分の中で「めっちゃカッコよくない!?」っていうのはあったね。カバー好きだし色々つくってきた中でも「おい、すげえな白水!!」ってなった(笑)。



―前作でもカバー曲「Csikos Post」を入れてましたよね。

一同:あったなー。

白水:「Csikos Post」あったね(笑)。でも最近ライヴで全然やってないよね(笑)。

―ちょっと待ってください、もう全員忘れてる感じなんですか?

白水:いやあ、日々の流れが目まぐるしすぎてさ(笑)。

カズマ:なんかこのバンド、もう5年6年くらいやってる気持ちですもんね。

白水:「Csikos Post」あったねえ~。あれライヴでやっても全然盛り上がらないんだよね。お客さんみんな「ポカーン」ってなってるから。

ジム:さすがにBPMが速すぎたのかもしれない(笑)。

―その点「SAKURA」は誰が聴いても絶対わかるからいいんじゃないですか?

白水:そうだね。でもこの子もなんでかあんまりフロアは盛り上がらないけどね(笑)。「SAKURA」は今回の中でも一番変な引き出しを、あんまり、っていうか普段は絶対使わない引き出しを開けちゃったからね。あんなドラマティックな…。「ほらドラマティックでしょ?」みたいな、ちょっと普段だとこっぱずかしい引き出しを開けたから。ilyoだとこんなことまでやれちゃうんだなーって思った。ライヴで演奏していてもすげえ楽しいんだよこれ。まあ、なんでかお客さんはあんまり盛り上がらないけど(笑)。

―こういう構築していくようなプログレッシブな曲で、自分たちは楽しいけどお客さんはついてきてないな、みたいなことを感じることはよくあります?

白水:あるね。KAGEROも含めてそれはバリバリある。でも僕は絶対「SAKURA」で盛り上げてやろうって未だに足掻いてるけどね(笑)。そういうところも「SAKURA」が好きな理由なのかもしんない(笑)。

―アルバムには最後に、絶叫する60度が歌う「small money, sweet honey (絶叫する60度ver.)」がボーナストラックとして収録されています。これはローザ・パークスの曲なんですね。

白水:この曲の「初音ミクバージョン」を年始に創ったんだよ。会場限定音源のカップリングで。なんでかその頃、初音ミクが勝手にマイブームで。ローザの曲は基本的にボーカルのセイジとジムが書いているんだけど、この曲は珍しく僕が作った曲だから、まぁせっかくだしこのまま眠らせとくのももったいないから自由にやっちゃうかーって。初音ミクver.も面白かった。んで絶叫する60度と共同でやってる「Dockin’ On Heaven’s Door」(通称ドキノン)っていうイベントで絶叫の曲を一緒にやってるから、じゃあilyoからの曲があってもいいかなっていうのがあって。

―これピッタリハマってますよね。絶叫する60度はアイドル…かどうかはわからないですけど。

白水:あれはもう全然「アイドル」じゃないですね!俺らが最初に関わったアイドルがあの子たちだったから「うわっ!いまのアイドルは激ヤバだな!」って思ったけど、なんかもうそういう枠に収まるアレじゃなかったもん。普通のアイドルじゃなかった人たちにしょっぱなから出会ってしまったって感じだね(笑)。

―アイドルに限らず、今後も色々な人と対バンして行こうと思っていますか?

白水:柔軟な思考回路を持ってるひとたちならいくらでも組むよ。それはミュージシャンに限らずね。今年に入ってから僕らが主導してるイベントが多いけど、これから年末とか、来年の頭にかけて色んなイベントに出たいなって思っています。誘われたらね。スケジュールが空いてる限り。

―これから来年に向けて、どんな活動を考えてますか。

白水:たぶんいま僕が持ってるプロジェクトの中で、ilyoが一番、幅広い層にリーチする可能性を秘めていると思ってるんだよね。別にそれを無理に背負って、人間として根本の生き方を変えようとまでは思ってないよ。ただ、さっき話したみたいに、このバンドは「デザイン」ができる。メンバーみんな、このバンドに対して、こだわりがあるかないかでいうと「ない」だと思うんだよね。音楽だったり、音楽の内面だったり、活動の仕方とかに「さしてこだわりがないからできる表現」ってものの強さってのもあるんだなってことに気づいて。特にKAGEROやってるとさ、こだわりしかないからあのバンドは(笑)。こだわりしかないからこそできること、こだわりがないからこそできることってのが、それぞれ本当にいっぱいあって。だからさっきカズマも言ってたように、歌のない音楽を普段聴かない人たちにリーチさせようって思って「Sunshine Freeway」を創った。このバンドはそういうことが柔軟にできるから。だからこれからは初見の人とか、インストを今まで全く聴かなかった人たちが集まるところにilyoをぶち当てる機会をたくさん作って行きたいなって。たぶんそういう場でやっていくとバンドのパフォーマンスもまた変わってくると思うんだよね。マレーシアとかアメリカには、音楽を聴いて踊るのが自然な人たち、歌のない音楽を分け隔てなく聴くことに慣れてる人たちがたくさんいる。じゃあそうじゃないところに対してどうやって魅せていこうかって柔軟に考えられるのがilyoっていうバンドだと思うんだよね。それってひとつの強さだし、そういうのも面白いなって今は思えるし、このバンドはそういうことをやってくべきだなって。もう個人的なアイデアの集大成みたいのはこの前の「1日東名阪」でスパークしたから(笑)。「これすごいだろっ!?」ってのをやりきったところがあって(笑)。あれを超えるアイデアなんてそんな頻繁に出てくるもんじゃないからさ。だから、今までこれだけ培ってきたものを、歌のない音楽を聴いたことがない人たちやギターロックが大好きな子たちにたくさんぶち当てて、そんでまたそこからilyoがどう変化して行くのかが楽しみだねっていう感じです。

―じつはすでに次の作品に向けて動いているんじゃないですか。

白水:さすが(笑)。そうだよ、もう次の構想が始ってる。なんたって黒字化したから(笑)。来年の前半だと思う。今年中ではないから、みんな安心してね(笑)。

一同:(爆笑)。

白水:今回のリリースで培ったものがあるから、次はそれを飛躍させようって。もう日本の音楽業界は昔の幻想のまま止まっちゃってるオッサン達が多いからさ。大手のレコード会社とか事務所の人も、どうしていいかわからないことが多いと思うんだよね。CDに500万円の広告費をかけて1000万円の利益に繋げる時代じゃないから。それを理解して、ちゃんと今の時代に落とし込んで、そんで本当に音楽を愛していれば、ちゃんとこういう風にみんなで笑っていられれば、バンドはずっと転がっていける。ちゃんとアタマ使って黒字にしてさ。何も考えないで従来の慣習に従ってるだけだとやっぱりどこかで無理が来ちゃうし、メンバーのテンションも上がらないこともあるだろうしね。そんな矛盾だらけの前時代的なことをしなくても、いまはミュージシャンにとって生きやすい時代だと思うんだよね。今の時代で良かったって思うもん。マジで。MVだってさ、昔はテレビで流すしか手段なかったわけで、今はYouTubeでもツイッターでもインスタグラムでもいくらでも発信できる。そこで観てもらうためにはちょっとだけ頭を使わなきゃいけないけど、でもちゃんと頭を使ってやっていけば、音楽を続けていける時代なんじゃないかな。

―楽しく続けて行けている感じは、今日のインタヴューでよくわかりました。すごく仲が悪くなってたりしたら面白いなと思ってたんですけど(笑)。全然そうじゃなかった。

一同:あははははは!

ケンロー:むしろどんどん仲良くなってますからね。一緒にいる時間も増えたしね。

白水:だよねー。あれだな、「これからもメンバーと、仕事仲間にならずに、友だちで居続ける」っていうのがこのバンドの当面の第一目標かな!



<<前編を読む。


-Release Informartion-

I love you Orchestra『Crack』
2,000円(本体)+税 RAGC-012
NOW ON SALE!!
[Track List]
01. Universe
02. Sunshine Freeway
03. Spoooon
04. Herb Is Justice
05. SAKURA
1st Album『 Stop Your Bitching(』RAGC-008)
2nd Album『 Fuse』(RAGC-009)
06. bye bye, your yesterdays
07. 兼六園 (Full ver.)
08. OFF LIMIT
09. Frankensteiner
10. Fuck Bumpkin Fuck
11. Crack
Bonus Track
12. small money, sweet honey( 絶叫する60 度 ver.)


-I love you Orchestra Profile-

Ba:白水悠 Gu:中平智也 Dr:大津一真 Dr:前川和彦 Gu:ケンロー Gu:マスクド・ノブ

パンク・ジャズ・ハードコアシーンを席巻する “孤高の異端児” KAGEROのベーシストでありバンマスの白水悠が「ファック大人の事情!」と言い放ち、気のしれた仲間を集めて2014年に突如結成。 「KAGEROでやったら怒られることをやる」を信条にライヴ活動を開始。既存の価値観・常識・慣習に魂を引かれた人々に一撃を食らわす活動を展開。
2015年2月、独立系レコードショプ限定カセットテープ「Sheep Chaser EP」を100本限定で突如リリース、発売1週間で各店舗売り切れ寸前の状態に(現在ソールドアウト!!)。 KAGEROのレーベル・スタッフを酒で酔わせ、勝手にアルバムのレコーディングを開始。3日間のレコーディングで完成させた1stアルバム「Stop Your Bitching」を2015年4月にメジャーレーベルKADOKAWAよりリリース。
4月より朝活GIG「朝コア」を開始、新宿ロフトで早朝7時から爆音を浴びさせかけるSっぷりで世間から羨望と戸惑いの眼差しを欲しいままに(読売新聞全国版生活面に掲載!!)。
そして5カ月後の9月、ウルトラハイペースで2ndアルバム「Fuse」をリリース。名阪仙、都内各フェス、果てはマレーシアツアーまで成功させ、ツアーファイナルは代官山UNITワンマンとやりたい放題。ツアー明けのハロウィンイベントでは「コスプレして来い」という主催者の意図をくみ取りすぎてスモーク+バックライト+ヘッドライトで姿が見えなくなる「ilyoザク仕様」を初披露。

2016年よりノブ(Gu)が六本木の風となったため、秘密兵器マスクド・ノブを投入。
アイドル「絶叫する60度」との狂乱のコラボ企画「Dockin’ On Heaven’s Door」(通称ドキノン)もワンシーズンごとに恒例化。3月には朝コア東名阪ツアー、6日間連続の超至近スタジオGIGを開催。
4月はマレーシアのプログレポストロックDirgahayuのジャパンツアーに帯同。チャージフリー東名阪3マン「afresh!!」も黒字化に成功。
マジメなオトナからの顰蹙・反感を一斉に浴びつつ、愛の爆音でこの腐りきった世界に一石を投じるべく、2016年9月に3rdアルバム「Crack」リリース決定。

I love you Orchestra 公式サイト
http://kagero.jp/ilyo/
I love you OrchestraオフィシャルTwitter
https://twitter.com/ilyo_official
I love you OrchestraオフィシャルFacebook
https://facebook.com/iloveyouorchestra


おすすめ関連記事: