-Interview- Chris Van Cornell「Dreaming」メンバー座談会
Posted on 2017.12.05
1年半ぶりにトリプルA面シングル「Dreaming」をリリースしたChris Van Cornell。
前作「余暇と祝祭」からメンバー5人がそれぞれの想いを音にして生み出した今作「Dreaming」は、彼らしい温かさを含んだドリーミングな北欧サウンドに仕上がった。
Chris Van Cornellらしさを見つけ今作に対する思いをメンバーに語ってもらった。
▼夜の森と星は平行をたどるについて
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ハルカ:始めますか、よろしくです。
大輔:よろしくお願いします。
ハルカ:じゃあ”夜の森と星は平行をたどる”について、話していこうかな、みんなはじめてデモを聴いた時の印象はどうだった?
ヨサ:1stアルバムの「余暇と祝祭」はどちらかというとメロディーが明るいものだったり、カントリーとかアコースティックな要素が多かったけど、この曲はエレクトロな雰囲気が強くて、新しくていいなって思ったね。初めて聞いた時から好きな曲だった。
垣守:イントロを聞いた時点で『あ、良い曲だな』と。デモの時点でわりと完成形に近かった気がします。
堀田:たしかに。だいちゃん(大輔)から送られてきたデモから大きくは変わっていないですね。
ハルカ:私は、みんなに送る前に、歌のメロディーを模索している段階のアコギと歌だけのデモを聴いていたのだけど、『暗くてめっちゃいい!』って絶賛してました。笑
ほり;はるかさん暗いの好きですもんね。笑
ハルカ:そう。笑 その時とは結構メロディーや構成は変わったけど、雰囲気はそのままにさらに世界観に磨きがかかったと思います。
ほりた:今回は、だいちゃんが曲の土台を固めた状態でみんなに共有して、そこにみんなの個性を乗せて行くっていうのがコンセプトでもありましたね。
大輔:うん、そこが前回と違うところだね。前作のときはもっと軽いラフの段階でみんなに共有したね。そこにちゃんと意図もあって、Chris Van Cornell(以下、クリス)の色を作るために、みんなの考え、やりたいことを知りたくてそうしたっていう想いがあって、時間はかかるけど、一人一人のアプローチの仕方、癖、役割がどんどん明確になったり、クリスの色を出すために必要な時間を過ごしたうえの、今回のやり方になります。
ハルカ:そうだね、前回はすっごい時間かけて、歌や楽器のフレーズ案をどんどん出しては試しての繰り返しだったな、すっごい大変だった…笑、それに比べると今回は、前回の経験からなる部分がたくさんあって、スムーズに制作できたね。
ヨサ:そうだね、効率よかったね。うちはみんなDTMができるっていうのものスムーズにやれた要因だと。
堀田:そうですね。ちなみに「夜の森と星は平行をたどる」はさらっと一曲目に決まりましたよね、1曲目どうするアンケートとったら5人中4人がこの曲を1曲目にって…
大輔:はい、5人中1人が自分です笑
一同:笑
大輔:まさか自分だけとは思わなかったよ…笑
ほり;3曲とも個性があるから悩んだんですけど、この曲はバンド的にも新境地な感じがしていたので推しました。サウンドも結構特徴的だし。
大輔:まぁ…そうね笑。『夜の森と星は平行をたどる』では、コード弾きはしないと決めて、アルペジオ、ダウンピッキング、倍音ディレイをメインに弾いています。やりたかった音の出し方を取り入れて音を作りました、自分的にはチャレンジ、そもそもギターでレコーディングなんてクリスが初めてだし笑、まだ何もわかってないけど、その分、音を探っていく作業がすごく楽しいです。また、今回はベースのカッキーさん(垣守)が加入して初の音源ってこともあり、ベースのサウンドも変わったね。
垣守:そうだね、この曲では、ジャズベを使ってエッジを立たせるようにピックでガツガツ弾いてます。デモだとシンセベースでボーって歪んだような音だったんだけど、それを竿のベースでどう弾こうって苦戦して、最終的に行き着いたのがピック弾きだったんですよね。弓弾きも考えたんだけどちょっとまだまだライブには使えないかなって。1弦しか鳴らないの。笑
大輔:サビはブワーっていう空間を包み込むような音の中で、ベースとアコギがガシガシ後ろで刻んでいる感じがカッコイイ。デモの段階では、ベースもガシガシ刻むイメージは無かったので、カッキーさんから良いヒラメキをもらいました。あとはバイオリンのささらも良いアプローチをしてくれて雰囲気を何倍も良くしてくれてるよね。
堀田:ですね。あとは歌の力が前作から増したと感じました、世界観が増したというか。誰か参考にしたりしたんですか??
ハルカ:うーーん……、特に意識して参考にしたり…ていうのはないんだけど、前回のレコーディングの頃よりも聞く音楽の幅は間違いなく広がってて。だいちゃんがおすすめしてくれたり、ほりたくんのブログを遡って読んだりね。そういうのが影響しているのかなーと思ったかな。
堀田:たしかに移動の車の中でも、僕がブログで紹介した曲流してたりしましたよね、あたかも自分で見つけたようなノリで。笑
ハルカ:その節は…笑 あとはやっぱり自分の中での歌のイメージがしっかり固まってたからっていうのもあるかな。
大輔:そりゃあ固まるよね、歌やコーラスのメロディーパターンを何十回も試してたりしたね、レコーディング直前でも歌メロ変わったし、悩み続けて最善の方でおさめました。
ハルカ:おさまってホッとしまった…笑、じゃあ次!『meet her』について話しましょ。
▼meet herについて
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ハルカ:これも クリスらしさとカントリー&ドリーミングな感じが全開で優しい気持ちになれる曲だな。
垣守:もう最初のバンジョーの感じがすごい好きだったので、『これは良い曲になるぞ…!』と冒頭から確信しました。笑
大輔:嬉しいこと言ってくれますね…。バンジョーはどこかで取り入れたいとは思っていたけど、迷ってて、そんな時に、権藤さん(METAFIVE/愚音堂)のスタジオにお邪魔して話した時に『バンジョーとかサウンドに合うんじゃない?』と言われたので背中を押され導入しちゃおう!って。そこでオススメしてもらったバンドFreelance whalesとかが凄くグッと来て、そしたらタイミング良く親友の父親からバンジョーを2本も譲ってもらえることになって運命を感じました笑
それで家でバンジョーを弾きながら作ったのがこの曲なんですよ、バンジョーで初めて作ったフレーズがこのイントロとかで鳴ってるフレーズなんだ。
ハルカ:記念すべきフレーズなんだ。笑
大輔:そう。バンジョーを土台に楽器の構成を考えていって、ガットギター、アコーディオン、フィドル(バイオリン)、ふんわりとしたシンセに、ベース、ブラシでドラム叩いて完成だ!って感じでパッと閃いたのを形にした、アコーディオンのフレーズは、はるかに任せたね。
ハルカ:うん。
大輔:それだけ?笑、どんな感じをイメージしてフレーズを生んだか語ってほしかったり…まぁぁ、聴けば良さがわかる!ということで!笑。曲の良さ・世界観が増すフレーズだよね?
ハルカ:うん、納得のいったフレーズ。
大輔:間奏のバイオリンとアコーディオンの絡みもすごく良い、気持ちよくなれる聴きどころが満載です、『meet her』は新しく付け足して行くフレーズがうまく重なっていったね。
堀田:生楽器がフューチャーされてて、シンセの割合が少なめ。ちなみにレコーディングでバンジョーを弾いたのはよささんですけど、弾いた事はあったのでしたっけ?
ヨサ:いや…一切ないよね。笑
一同:笑
大輔:ここであえて俺じゃなくよささんに弾いてもらうっていうね。笑
ヨサ:どうやって弾くと良い音がでるとか一切知らなかったから、もう手探りで頑張ったよ。笑
垣守:でも良い音でてますよ!バンジョーの音ほんと好きだな~。
堀田:バンジョーって、かっきーさんみたいに隠れファンがいる楽器ですよね。
ヨサ:個人的には最後にバンジョーがひとりで残る所がけっこう気に入ってるな。あと、イントロはバンジョーが鳴ってカントリーテイストなんだけど、歌が始まるとバンジョーは消えて違う曲のように聞こえるんだよね。それがすごいおもしろいなとおもって。
堀田:バンジョーやバイオリンをクリスらしく落とし込んだ結果、ありそうでなかった曲になったのかもしれないですね。
大輔:そうかもね。あと個人的にはアウトロのベースが草原で踊っているような雰囲気ですごい好きなんだよね、踊りだしたくなるフレーズ。
堀田:ウッドベースぽい音質で良いですよね
垣守:あれはジャズベだけど、ピックアップから遠いネックよりの位置で弾いてこのニュアンスを出したんですよ。あと低い音から高い音まで万遍なく使ってるのもあるかな。
アウトロはすでにバンジョーとギターでしっかりとフレーズがあったから、そこにどうベースをつけようか考えて考えて、考えまくって朝8時に生まれたフレーズです。笑
ヨサ:すごい、朝活だ。笑 そうだ、ずっと思ってたけどこれボーカルのメロディーライン大変そうだよね?笑
ハルカ:そうなんですよ。笑 結構二人でメロディーラインのとこは試行錯誤してて。スタジオに入るたびに変わったりしてましたから。その結果上と下が入れ替わるような不思議なコーラスになりました。笑
垣守:男女ツインボーカルはたくさんいるけど、これはまたそういったのとは違った感じでする。
大輔:うん、ツインボーカルっていっても曲によっては自分一人だったり、ハルカ一人だったりするし、その楽曲にごとに一番合った形で歌うようにしてる。meet herについては相当試行錯誤した分ばっちりハマった。
ハルカ:歌っていても気持ちよくなるコーラスワークになったな。
大輔:それじゃあ最後、『ハローグッバイ』にいきましょう。
▼ハローグッバイについて
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堀田:この曲はデモからかなり変わりました。
大輔:メロディーが大きく変わったね、この曲もレコーディング当日まで、何パターンかあるAメロでどれにするか迷っていて、レコーディング当日に初めて歌ったパターンをメンバーに聴かせたら「これが良い、cvcらしいし」という声をくれて決めました、自分の中ではドキドキでした笑。あれ、前のメロどんなのだっけ?笑
ハルカ:~♪(鼻歌歌う)
大輔:あぁ、そうだ、全然違う。笑
垣守:スタジオ入るたびにどこかしら変わっていった気がします。
大輔:ですね、この曲、実は昨年の余暇と祝祭のリリースワンマン(2016年)でアンコールに演奏したのです、その時からもだいぶ変わってるけど…でも、この曲には、しっかりと僕の中で背景があったので、根本的な部分は変わっていないです。鳴っている楽器、歌詞、映像に明確なイメージもありました。
ヨサ:そうだね、トランペットのフレーズも割と決まってたし、そこにトロンボーンを重ねて深みと厚みを出したいっていう構想もできていたよね、先にできていたトランペットのフレーズにどうトロンボーンのフレーズをのせていくかっていうところはレコーディング当日にトロンボーン奏者のんちゃんと考えたり。
大輔:良い感じにおさまりましたね。
ヨサ:エンジニアの中村さんの力も借りて良い感じになったね、バイオリン含め。
大輔:ささらもナイスフレーズにナイスプレイをたたき出してくれた。
垣守:素晴らしかった、この曲のバイオリンフレーズすごい好きです。
ハルカ:REC中にも鳥肌が立ったな、フレーズはささらちゃん?
大輔:フレーズの叩き台は自分が作って、足し引きをバイオリンのささらと相談してつめていったんだよね。結果すごく良くなりました、自分もREC中に良過ぎて、感動してばっかりでした。
堀田:ちなみに『ハローグッバイ』は、かっきーさん参加後、この5人で初めてアレンジした曲でもありますよね。
垣守:そうですね。この曲はわりとシンプルに仕上げようとおもって。前半サビのボンボンってスタッカートで弾くところはうまくハマったかなと。
堀田:この曲のベースは何をつかったのでしったけ?
垣守:普段ライブでもつかっている76年製のムスタングベース。柔らかい雰囲気にしたくて指引きしてます。そういえばこの曲、ほりたくんレコーディングでスティック持ち替えしてたのが印象的。笑
ハルカ:なんですかそれ。笑
堀田:この曲の前半はマレットを使ってて2サビのあとでスティックに持ち替えるんですよ。だからかっきーさんと『この曲は途中で分けて録ろう』って話してましたよね。
垣守:でもやっぱり分けない、って言ってきて。かっこいいいなーと思いました笑
ハルカ:さすがですね。
ヨサ:曲もだけど、MVも良いよね。
ハルカ:いい!
大輔:嬉しいっ!!
今できることを精一杯やって、構成・撮影・編集しましたよ…。
『ハローグッバイ』は、歌詞自体がこの曲のことをすごく物語っていると思っていて、歌詞の一つ一つに想いが強いです。
ざっくり言うと「自分にとって、大切な人のことを思い続けて生まれた気持ち」を歌った歌なのですが、これは自分の想いに過ぎない。
『ハローグッバイ』は、聴いてくれる方の心情に寄り添える曲なので、自分の好きな風景やシュチュエーションに合わせて聞いてくれると嬉しいです。
ミュージックビデオは、僕の場合はこういう風景とシュチュエーションだっということです。
ぜひ僕の頭の中を見てみてください笑
垣守:しかし、バラエティーに富んだ3曲になったね。
ハルカ:3曲とも色が全然違う。でも、それこそ今回だいちゃんがデモの段階から土台を固めて来てくれたから、最初から完成形のイメージを持ってあまりぶれずに作ってくことができたかもしれない。
大輔:やっぱりなんだかんだみんな根本的なやりたい音楽は近いところがあるから、イメージもすぐ掴んでくれて僕的には嬉しい限りです笑。
今後も『Chris Van Cornellらしさ』をより追求していきたい。みんな好きな音楽が幅広くてやりたいこともそれぞれたくさんあるから、それをうまく集約させて『Chris Van Cornell』にしか生み出せない曲、ジャンルを確立させていきたいと思っています。
Chris Van Cornell『Dreaming』
2017年11月15日発売
WAKRD-069/¥1,000+税
JAN/POS 4582217970698
※タワーレコード渋谷限定発売
[収録曲]
01.夜の森と星は平行をたどる
02.meet her
03.ハローグッバイ
04.夜の森と星は平行をたどる[INST]
05.meet her[INST]
06.ハローグッバイ[INST]
TOWER RECORDSオンライン
http://tower.jp/item/4608574/Dreaming
-Chris Van Cornell Information-
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